2024年8月27日
法人や個人事業主の方が中古車を購入する際にローンを組むことも多いでしょう。
しかし、ローンで購入した中古車でも減価償却ができるのかどうか、わからない方もいるかもしれません。
そこで本記事では、中古車をローンで購入した場合の減価償却について詳しく解説します。
中古車をローンで購入しようと検討している方や減価償却や経費計上について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
法人や個人事業主が事業用に中古車を購入する際に、ローンを組むことはできるのでしょうか。
ここでは、ローンで購入した場合における減価償却について詳しくみていきましょう。
ローンで購入した中古車でも、事業のために使用するものであれば全額を経費として計上することが可能です。
基本的には「経費として認められる車種」と「認められない車種」の区分はありません。
たとえ高級車であっても、事業に関連して使用される限り、他の車と同様に経費に求められることが多いです。
ただし、事業で使用していることを客観的に証明できる必要があります。
たとえば、製造業の企業が高級スポーツカーを購入した場合、事業に関連していないと判断され、経費として認められないことがあります。
車は、10万円以上の価値があり、かつ1年以上使用可能な資産です。
そのため、固定資産として扱われます。
固定資産については、一括で経費として計上することはできず、法定耐用年数に基づいて、分割して経費計上を行う必要があります。
たとえ現金で一括払いした場合でも、購入した年度にその全額を経費として計上することはできません。
車両の取得にかかった費用は、法定耐用年数に従って、少しずつ減価償却費として経費計上を行っていくことになります。
そのため、ローンでの購入であっても現金一括払いであっても、年次ごとに計画的に経費計上を行う必要があります。
そもそも減価償却とは高額な資産を取得した際に、その費用を購入年度に一括で経費計上せず、耐用年数に応じて分割して経費計上する会計処理のことです。
個人事業主や法人が事業用に車を購入した場合、取得した車両の耐用年数に基づいて、少しずつ経費として計上していくことになります。
車以外にも、不動産や事業用の設備、備品なども同様に減価償却の対象です。
これにより、事業の損益計算が正確に行われ、資産の使用期間中にわたって、費用を適切に分配することができます。
減価償却を行うことで、企業や事業主は資産購入によるキャッシュフローへの影響を均等にし、財務状況の安定が可能です。
減価償却は、事業用の資産を取得した際、その費用を一度に経費として計上せず、耐用年数にわたって分割して計上します。
具体的な減価償却の方法は、定額法と定率法の2つがあり、中古車の場合に耐用年数の計算に特別ルールが適用されます。
ここでは定額法と定率法について詳しくみていきましょう。
定額法は、減価償却の中でも最もシンプルな方法で、毎年同じ額の償却費を計上する方式です。
この方法は計算が簡単で、個人事業主によく利用されます。
取得価格には、未経過の自動車税(種別割)や自賠責保険料など、車両の購入に伴うすべての費用が含まれます。
具体的な計算は、取得価格を耐用年数で割ることで算出され、毎年一定額を経費として計上します。
取得価格 ÷ 耐用年数 = 毎年の計上額
定率法は、毎年の減価償却費が耐用年数に応じて変動する方法です。
この方式では、初年度の減価償却費が最も高くなり、年々減少していく特徴があります。
これは、資産の価値が早い段階で大きく減少することを反映しており、特に法人で多く採用されています。
耐用年数ごとに適用される償却率が異なるため、国税庁が公表している減価償却資産の償却率表に基づき適切な計算が必要です。
耐用年数 | 償却率 | 保証率 |
2年 | 1,000 | – |
3年 | 0.667 | 0.11089 |
4年 | 0.500 | 0.12499 |
5年 | 0.400 | 0.10800 |
6年 | 0.333 | 0.09911 |
車両の法定耐用年数は、新車の場合、普通自動車で6年、軽自動車で4年と定められています。
しかし、中古車の場合は、すでに経過した年数を考慮した耐用年数の計算が必要です。
中古車の耐用年数は、その車が新車として登録された時点からの経過月数に応じて決まります。
中古車の耐用年数を計算するためには、次のような簡便法が用いられます。
この式により算出された年数が、今後使用できる耐用年数となります。
ただし、1年未満の端数は切り捨てられ、経過年数が法定耐用年数を超えている場合には、別の計算式が適用されます。
たとえば、経過年数が3年の普通自動車を購入した場合、耐用年数は次のように計算されます。
(6年 - 4年)+(4年 × 0.2)= 2.8年
1年未満の端数は切り捨てられるため、この場合の耐用年数は2年となります。
一方で、経過年数が8年の普通自動車を購入した場合、計算式は異なり以下のようになります。
法定耐用年数(6年)× 0.2 = 1.2年
耐用年数が2年未満の場合は2年に切り上げられるため、このケースでは耐用年数は2年となります。
中古車の減価償却を正しく行うためには、このように経過年数を考慮した耐用年数の計算が重要です。
特に、事業で中古車を購入する際には、適切な減価償却を行うことで、財務状況を適切に反映させることができます。
中古車をローンで購入した場合、減価償却を行う際の仕訳方法は重要なポイントです。
正確な仕訳を行うことで、適切な経費計上が可能となり、経理処理での混乱を避けることができます。
特にローン払いの場合には、仕訳の方法が現金一括払いと異なるため、理解しておくことが大切です。
ここでは、具体的なケースに基づいて仕訳方法を詳しく解説していきます。
先述のとおり、定額法は減価償却の方法の中でも最もシンプルで、仕訳も比較的簡単に行うことができます。
仕訳において使用する勘定科目は、「減価償却費」と「車両運搬具」です。
事業用として取得価額300万円の中古車を購入し、耐用年数4年で定額法を使用して減価償却する場合の年間の減価償却費の計算は次の通りです。
計算式
300万円 ÷ 4年 = 750,000円
1年目の仕訳
この仕訳を毎年繰り返し、4年間で全額償却します。
定額法は、年度ごとの金額が一定であるため計算方法が簡単です。
定率法は、定額法とは異なり、毎年の減価償却費が異なる点が特徴です。
初年度の減価償却費が大きくなり、その後年々減少していきます。
事業用に取得価額300万円の中古車を購入し、耐用年数4年で償却率0.500を使用して定率法で減価償却する場合。
1年目の計算式
300万円 × 0.500 = 1,500,000円
1年目の仕訳
2年目の計算式
(300万円 - 150万円) × 0.500 = 750,000円
2年目の仕訳
定率法では、毎年の減価償却費が変動するため、計算と仕訳の手間が増えます。
初年度に大きな減価償却費を計上できるため、初期の税負担を軽減することが可能です。
ローンを利用して中古車を購入した場合、その減価償却と経費計上の仕訳方法には特有の注意点があります。
特に、ローン元本の支払い部分と利息部分を分けて処理する必要があるため、正確な仕訳が必要です。
まず、ローンで購入した中古車の減価償却は、ローン支払額に関係なく取得価格に基づいて行われます。
ローン元本の支払い額は経費には含まれず、減価償却費として耐用年数に応じて計上されます。
以下の例で詳しく見てみましょう。
事業用に取得価額200万円の中古車を2年ローンで購入し、耐用年数4年で定額法を用いて減価償却するケース(ローン返済が月200,000円、割賦手数料240,000円の場合)
計算式
300万円 ÷ 4年 = 750,000円
1年目の減価償却の仕訳
この仕訳を毎年行い、4年間で全額を減価償却します。
ローンの元本部分は、この減価償却には含まれず、別途管理されます。
計算式
240,000円 ÷ 24か月 = 10,000円
月々のローン返済時の仕訳
この仕訳を通じて、ローン返済の元本部分と利息部分を正確に処理します。
車を事業用に使用する際には、車両そのものにかかる経費だけでなく、さまざまな関連費用が経費として計上できます。
これらの費用を正しく把握しておくことは、節税対策において非常に重要です。
ここでは、経費計上が可能な主な項目を勘定科目ごとに整理しました。
これらの費用に関するレシートや請求書はしっかりと保管し、経費申告時に備えておきましょう。
車を所有するうえで欠かせないのが、自賠責保険と任意保険です。
自賠責保険は法律で加入が義務付けられており、事故が発生した際の最低限の補償をカバーします。
一方、任意保険は自賠責保険でカバーしきれない部分を補うための保険です。
これらの保険料は、事業用車両にかかる費用として経費に計上ができます。
保険料の支払いは年に一度や数年ごとにまとめて行われることが多いため、忘れずに経費として処理しましょう。
車両運搬具という勘定科目で計上できるのが、車両費です。
これは、事業で使用する車両を購入した際に発生する費用を指します。
中古車、新車を問わず、購入時の支出はもちろん、車両に関連する付属品の購入費用や、ナンバープレートの取得費用なども含まれます。
車両運搬具の費用は、購入後に耐用年数に応じて減価償却として処理することになりますが、購入時にはこの項目で計上されます。
自動車に関連する税金として代表的なのが、自動車税と自動車重量税です。
自動車税は毎年発生し、車両の種類や排気量に応じて税額が決まります。
自動車重量税は、車両の重量に基づいて課される税金で、車検の際に支払うことが一般的です。
これらの税金は租税公課として経費に計上できます。
車両の駐車スペースを確保するために支払う月極駐車場の費用は、地代家賃として経費計上が可能です。
事業所の敷地内に駐車スペースがない場合、もしくは複数の車両を所有している場合には、外部の駐車場を借りることが必要となります。
このような費用も、忘れずに経費として計上しておきましょう。
事業で車を使用する際には、高速道路の利用や時間貸し駐車場の使用が発生することがあります。
これらの費用は旅費交通費として経費計上が可能です。
また、高速道路の利用料は、ETCカードを使用することで簡単に管理でき月次でまとめて経費処理ができます。
時間貸しの駐車場代も、事業用の車両で業務を行う際に発生するものであれば、経費として認められます。
車両を維持するために必要な費用も経費として計上できます。
これには、洗車代、ガソリン代、定期的な点検費用、そして車検費用などが含まれます。
これらの費用は車両費として扱われ、日々の業務に必要な支出として経費計上が可能です。
特にガソリン代や車検費用は大きな支出となるため、こまめに管理して経費として漏れなく処理しましょう。
中古車を購入する際、ローンで購入するケースもあるでしょう。
しかし、ローン契約には金利だけでなく、さまざまな費用がかかることを理解しておくことが重要です。
また、適切なローンを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、中古車をローンで購入する際に知っておくべきポイントを詳しく解説します。
自動車ローンを利用する際には、金利以外にもいくつかの費用が発生します。代表的なものとして、事務手数料や保証料があります。
事務手数料は、車両購入時に金融機関が設定している手数料で、その額は銀行や信販会社によって異なります。
一部の銀行では、事務手数料が無料のケースもあるため、ローンを選ぶ際には、できるだけ手数料が安い、またはかからないところを選ぶと良いでしょう。
また、保証料は保証人を立てる代わりに保証会社を利用する際に支払う費用です。
多くの場合、保証料は金利に含まれていますが、別途徴収される金融機関もあります。
金利が低く見えても、保証料を含めると他のローンよりも総コストが高くなる可能性が十分にあります。
そのため、金利だけでなく保証料の扱いについても事前に確認しておくことが重要です。
複数の金融機関でカーローンを比較することは、最適なローンを選ぶために大切です。
しかし、複数のローンに同時に申し込むと、審査に通りにくくなるリスクがあります。
そこで、事前に各金融機関が提供しているシミュレーションを利用すると良いでしょう。
これにより、毎月の返済額や総支払額を簡単に比較することができます。
また、ディーラー系のカーローンは、金利が少し高めに設定されていますが、キャンペーン期間中に申し込むと金利が大幅に下がることもあります。
時間に余裕があれば、目当ての金融機関やディーラーで金利について説明を受けることで、最もお得なローンを選べるでしょう。
自社ローンは、中古車販売店が直接提供するローンであり、銀行ローンやディーラーローンに比べて審査が非常に早いです。
このため、車の購入手続きをスムーズに進めることができ、急いで車が必要な場合に非常に便利でしょう。
さらに、自社ローンでは、販売店によっては頭金が不要な場合もあり、初期費用を抑えたい方にとっても魅力的です。
ただし、自社ローンでは手数料が高めに設定されていることが多く、総支払額が大きく増えるケースもあります。
そのため、事前に返済計画をしっかりと立てておくことが重要です。
スリークロス滋賀店では、ローン審査の通過率が70〜80%と非常に高く、中古車だけではなく新車も購入可能です。
自社ローンで車を購入したい方は、一度スリークロス滋賀店にお問い合わせください。
中古車をローンで購入した場合でも、減価償却を行うことは可能です。
減価償却の方法には、毎年一定の金額を経費として計上する定額法と、初年度に多くの経費を計上し、年々減少させる定率法の2つがあります。
中古車の減価償却を行う際には、車両が新規登録された時点からの経過月数に基づいて耐用年数が決まるため注意が必要です。
耐用年数が異なると、適用される償却率も変わってくるため、正確な計算が求められます。
また、ローンで中古車を購入した際には、減価償却費と支払利息を分けて仕訳することが重要です。
これにより、正確な経費計上が可能となり、財務管理を適切に行うことができます。
さらに、自社ローンを利用することで、審査がおりやすく手続きがスムーズに進みます。
スリークロス滋賀店では、個人の方でも保証人や頭金が不要で車を購入できます。
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