2024年5月15日
生活保護を受けている人は、基本的に車の購入や利用は許可されていません。
しかし、特定の条件下においては認められます。
今回は、生活保護を受けていても車のローンを組めるケースと注意点について解説します。
目次
生活保護制度は1950年に制定され、現在は厚生労働省が管轄しています。
福祉事務所で相談を行った後に申請が可能で、認可されれば生活費、教育費、医療費などの支援が国から提供される制度です。
この制度の目的は、生活に困窮する人々の救済であり、受給者には一定の制約が設けられています。
その一つが「資産の処分」です。
資産には預貯金、利用されていない土地、家屋などが該当し、車も処分すべき資産と見なされます。
そのため、生活保護受給後に新たに車を購入したり、譲り受けたりすることは原則として許可されていません。
これは生活保護制度が、困窮度合いに応じた保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を支援することを目的としているからです。
ただし、受給者の状況によっては車が生活に不可欠な場合もあり、許可されるケースもあります。
先述の通り、生活保護を受けているとカーローンを組むことができません。
その主な理由として以下の4つが挙げられます。
ここでは、それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
生活保護制度は、困窮している人々に、最低限の生活を保障するための支援制度です。
そのため、生活保護を受給する際には、所有している資産をすべて売却しなければなりません。
利用可能な資産がある場合はそれを生活費に充てることが優先されます。
特に、車は日常的な移動手段であるだけでなく、高価な資産です。
したがって、生活保護を受ける際には、車を売却して生活費用に充てるようケースワーカー(福祉事務所の相談役)から指示されます。
生活保護の費用は、最低限の生活を送るために支給され、その用途も基本的な生活費に限定されています。
そのため、車の購入費用はもちろんカーローンの返済費用などは、生活保護費の使途に含まれていません。
また、カーローンを完済している場合でも車は資産と見なされるため、生活保護を受給するためには売却が必須です。
このように、生活保護費の使途が制限されているため、カーローンを組むことができません。
生活保護には、以下の8つの扶助があります。
生活保護では車の保有を原則として認めていないため、車に関連する扶助は含まれていません。
そのため、生活保護費でガソリン代や自動車保険料、車検費用などの維持費を賄うことができません。
生活保護の受給者は、事故を起こした際の賠償能力がほとんどありません。
車を運転する場合、事故を起こすリスクは常につきまとい、万が一事故を起こした場合、賠償金の支払いが難しいと見なされます。
さらに、任意保険に加入する余裕があれば、その分の生活保護費が減額されるため、車の所有は現実的ではないといえるでしょう。
生活保護を受けている全ての方が車を所有できなかったり、カーローンを組んで車を購入できないわけではありません。
以下の5つのケースにおいては、生活保護を受けていてもカーローンを組んで車の所有が可能です。
ここでは、それぞれのケースについて詳しくみていきましょう。
公共の交通機関が使えない場合、許可されることがあります。
特に、公共の交通機関が発達していない地域に住んでおり、家族の送迎などに必要と判断された場合は可能です。
鉄道やバスなどの公共の交通機関が利用できない地域は、生活に車が欠かせません。
国は、安全で健康的な生活を国民に保障することが責務で、車がその最低限の生活に不可欠であると判断されると許可されます。
ただし、生活保護費を使って新車を購入することは難しいため、手頃な中古車や燃費が良く維持費が安い車を選ぶようにしましょう。
病気や障害が原因で公共の交通機関の利用が難しく、定期的な通院に必要な場合、所有が認められます。
また、車があれば親族や知人のサポートで通院が可能である場合なども該当します。
さらに、通院先の医療機関が公共の交通機関でのアクセスが困難な場所にある場合も同様です。
車の必要性を十分に説明して医師の診断書なども提出することで、車の所有が許可されやすくなります。
通勤で車が必要な場合も、許可されることがあります。
たとえば、早朝や深夜の時間帯に出勤する仕事をしている、または鉄道やバスの停留所がない場所に通勤しなければならないなどが該当します。
特に、地方の工場や倉庫など公共の交通機関でアクセスできないケースなどが多いです。
生活保護を受けながらも安定した収入を得ることは欠かせません。
もし車がなければ、最低限の生活ができない場合、個々の事情を考慮したうえで判断されるため、車の所有が許可される可能性が高くなるでしょう。
生活保護を受給している方が、自営業や事業をしていると車の所有が認められます。
たとえば、配送業や移動販売、出張修理など、車がないと業務に支障が出る場合が該当します。
ただし、自営業や事業で認めてもらうには、収入から車の維持費を支払える証明が必要です。
収入と経費のバランスが取れていることを示し、車を所有することで経済的な自立が可能であることをケースワーカーに伝えましょう。
さらに、このケースでは生活保護を受ける前から車を所有していることが前提です。
また、新たに車を購入する場合でも、事業に不可欠なものと認められれば例外的に許可されることがあります。
生活保護を受給しているものの、半年以内に受給を終了する見込みがある場合は、車の処分対象から外れることがあります。
たとえば、近い将来に就職して安定した収入が見込まれる場合や、家族の収入が増える予定がある場合などです。
ただし、所有している車が高級車などの高価なものであれば処分が求められるため、必要最低限の車にしましょう。
申請する際には、経済的に自立する見込みを示して維持費が負担とならないことを説明することで許可される可能性が高まります。
生活保護を受けながら車を購入する際は、現金一括払いだけではなくローンを利用して購入ができます。
特に、自社ローンを利用すれば、他のローンと比べて購入できる可能性が高くなります。
ここでは、自社ローンの特徴や購入できる可能性が高い理由についてみていきましょう。
一般的な銀行系カーローンやディーラー系カーローンでは、申請者の信用力や返済能力を重視するため審査は厳しい傾向にあります。
特に、生活保護受給者の方や非正規雇用者の方など収入が不安定な人は、審査で落とされる可能性が非常に高いです。
しかし、自社ローンを提供する販売店の場合は、信用情報や収入に関する審査が比較的甘くなっています。
これは、自社ローンは販売店がローンを提供するため、車を購入しやすくするために審査基準を柔軟に設定しているからです。
このため、生活保護受給者の方であってもローンを組んで車を購入できる可能性が高くなります。
自社ローンを提供する販売店の中には、生活保護を定期的な収入と見なすところもあります。
生活保護の平均受給額は月10万円前後で、住宅扶助として家賃も支給されることも多いです。
生活保護の受給者の中には、アルバイトで生計を立てている人よりも金銭的に余裕がある場合もあります。
そのため、生活保護を受給しているという理由だけで自社ローンの審査に落ちることはありません。
さらに、自社ローンを提供する販売店では、生活保護受給者の方に対しても柔軟な支払いプランを提案してくれることも多いです。
これにより、生活保護を受けながらでも無理のない範囲で車を購入することができます。
自社ローンであっても必ずしも審査に通るわけではありません。
生活保護を受給している方であっても、受給額が少ない、車の必要性がない、滞納や遅延のリスクがある、など判断された場合は審査で落ちることがあります。
また、車の維持費が生活保護費で賄えないと判断された場合や、車のローン返済が生活費に過度な負担をかけると判断された場合も同様です。
そのため、自分の収入や返済能力をしっかりと考慮してローンの申請を行いましょう。
スリークロス滋賀店の自社ローンでは、ローン審査の通過率が70〜80%と非常に高いのが特徴です。
また、頭金が不要で最大84回払いもできるため、余裕を持った返済計画を立てることも可能です。
生活保護を受けている方で自社ローンをご検討の方は一度スリークロス滋賀店までお問い合わせ下さい。
問い合わせはこちら生活保護を受けながら車を諸湯する際には、車の所有を申請する必要があります。
車の所有を申請する際は、以下の5つのポイントと注意点を抑えて行うことが大切です。
それぞれのポイントと注意点について詳しくみていきましょう。
車の所有を申請する際には、その目的と必要な理由を明確にしなければなりません。
そのため、先述した5つのケースのどれに当てはまるかを考えましょう。
「病院まで遠くて通院が難しい」「仕事で必要なため移動手段として使いたい」などの具体的な目的が定まっていれば、なぜ自分に車が必要なのかがはっきりします。
所有を許可してもらうには、申請の際に相当な理由を用意する必要があります。
認めてもらえるかどうか気になる方は、事前にケースワーカーや福祉事務所に相談すると良いでしょう。
また、医師の診断書や就労証明書などの証拠を用意しておくと、申請が通りやすくなるでしょう。
原則、申請した目的以外で車を利用することは、生活保護制度上のルール違反とされています。
たとえば、通勤のために申請した車で買い物や病院に行くなどの私的な利用は目的外の利用に当たります。
こうした行為が発覚すると、福祉事務所から指導が入り、生活保護の停止という処分を受ける可能性もあります。
また、車を他人に貸す、あるいは商業利用するなど、本来の目的以外の用途に使用することも同じです。
生活保護制度では、必要最低限の目的のために走行性能に問題のない車を選ぶよう求められています。
したがって、年式が新しい車やスポーツカー、海外メーカー車など資産価値が高く、メンテナンス費用が高い車は認められない場合が多いです。
申請の条件として、資産価値が低く排気量2,000cc以下の車が目安とされています。
申請の際に条件を詳しく知りたい方は、ケースワーカーや福祉事務所に相談してみましょう。
車の所有申請をする際には、親族の同意を得る必要があります。
仮に申請が通ったとしても、万が一の事故対応や維持費において、親族に頼らざるを得ない場合が多いためです。
たとえば、車の保険や車検、税金などのコストをすべて生活保護費で賄うことは現実的に困難です。
親族の支援が必要なケースも多く、車の所有にあたっては親族からの同意と支援を得ておくことが重要になります。
また、ガソリン代も自費負担となります。
ガソリン代は高額な維持費となるため、軽自動車など車体価格を抑えられ、燃費が良い車を選ぶことが望ましいでしょう。
生活保護制度の運用上、車が生活に必要な理由を「申立書」としてまとめて申請する必要があります。
申立書には、車の所有が生活にとって不可欠である理由や、車の所有が自立を促進すること、維持費の負担方法など具体的な記述が必須です。
証拠資料や親族の同意書も添付し、しっかりとした申請書を作成することで申請が通りやすくなります。
必要書類を揃えて、記入漏れや不備がないように申請しましょう。
基本的に生活保護を受給していると、車の購入はできません。
しかし、通院や通勤など特定のケースにおいては、例外的に許可されることもあります。
自社ローンであれば審査基準が緩めであることが多く、生活保護を受給していても審査に通る可能性が高くなります。
ただし、必ずしも審査に通るわけではないため、事前に条件をしっかり確認しておくことが重要です。
生活保護を受給しながら車を購入する際は、自分に適した車を選び、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。