2024年2月29日
個人事業主の方はカーローンを含めローンが通りにくいといわれています。
しかし、個人事業主の方でもカーローン審査の対策を行うなどしてカーローンを利用することが可能です。
本記事では、個人事業主の方が利用できるカーローンの種類や審査基準などを解説します。
カーローンでお悩みの個人事業主の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ここでは、個人事業主の方がローンに通りにくい理由を5つ解説します。
以下で紹介している理由を解消することで個人事業主の方でもカーローンが通りやすくなる可能性があるため、押さえておきましょう。
個人事業主の方は、事業のために他に借り入れや融資を受けていることも少なくありません。
ローンに関する審査では、事業主は事業所得に対する借入金額の比率も審査対象になります。
所得に対して返済比率が大きければ、新たなローンの返済が大きな負担になるため、審査に通らないことがあります。
特に車のローンは高額になりやすいため、すでに借り入れがある場合には難しいといえるでしょう。
個人事業主の方は年によって年収にバラツキが出るなど、正社員のような被雇用者に比べて収入面が安定していません。
車のローンは金額が高額になりやすいため、月々の返済額も大きくなることが予想されます。
さらに、返済期間も長期にわたることが多く、安定した収入が求められるため、収入が不安定な個人事業主の方は審査で不利になることが多い傾向にあります。
事業の継続年数が短ければ、売上が安定していないことが多いため、返済に十分な金額を充てられないのではないかと危惧される傾向にあります。
被雇用者であっても勤続年数が1年未満の場合は、ローンが通りにくいのと同様に、個人事業主の方も事業の継続年数が短いほど審査に不利に働くでしょう。
個人事業主の方は事業から納税までひとりで全て行っているケースが多い傾向にあります。
そのような場合、ローン返済まで手が回らなくなってしまうリスクが考えられます。
自動引き落としに設定している場合は忘れることはありませんが、自動引き落としになっていない場合はつい手一杯になり滞納してしまうかもしれません。
また、個人事業主の方に限らず、滞納履歴がある場合は、ローン審査にも影響します。
会社員と個人事業主の方では、ローン審査の考え方が異なります。
会社員の場合、ローン審査の評価対象は個人と会社での所属先です。
たとえば、大企業などの信頼できる勤務先に勤めている場合は、自然と返済能力が高いとみなされます。
一方、個人事業主の方の場合、ローン審査の評価対象は個人の返済能力の有無です。
大きな会社を経営していたとしても、会社の信用はローン審査の評価対象にはなりません。
ここでは、個人事業主の方が利用できるカーローンを4つご紹介します。
それぞれの特徴を把握し、自分に合ったカーローンを選びましょう。
ディーラーローンは、ディーラーで新車や認定中古車を購入する際に利用できるカーローンです。
ディーラーローンのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
審査が通りやすいローン手続きが簡単 | 金利が高い返済期間が短い返済が終わるまでディーラーが所有者 |
ディーラーローンは、銀行系のローンと比較すると、審査が通りやすい傾向にあります。
また、車の購入と同時にローン手続きを進められるため、他のローンで組むよりも手間がかからないといえるでしょう。
一方で、金利は高めに設定されており、返済期間が短いため、月々の返済額は高額になる可能性があります。
そのため、ディーラーローンを利用する場合は、自分の収支のバランスを考慮したうえで返済計画を立てていく必要があるのです。
また、返済がすべて終わるまでは車の所有権がディーラーにあるため、万一事故や故障で廃車や売却したいと思っても、残りのローンを一括返済しない限りはできないため、注意して運転しましょう。
銀行や信用金庫などの金融機関でもカーローン商品を取り扱っています。
貸し付け条件は銀行によって異なるため、普段から使用している銀行以外の銀行も含めて商品を選択しましょう。
銀行系ローンのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
金利が低い日頃の付き合いや信用情報の積み重ねを活用できる | 審査が厳しい手続きに時間がかかる |
銀行系のローンの金利は1%〜2%と、他のローンと比較して低いため、月々の返済額を抑えたい方におすすめです。
また、事業所得などに余裕がある個人事業主の方であれば、日頃の付き合いや信用情報の積み重ねを活かせるでしょう。
一方で、審査が厳しく、手続きにも時間がかかるため、緊急で車が必要で車の購入を急いでいる方には向いていません。
自社ローンとは、販売店が独自に提供しているローンサービスです。
自社ローンのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
手続きが簡単金利がない審査が通りやすい | 必要書類を調べる必要がある |
審査から購入まですべて自社で完了するため、手続きが簡単で審査が通りやすいのが特徴です。
また、他のローンと違って金利がないため、月々の返済額も少なく、全体的な費用も抑えられます。
自社ローンは販売店ごとに提出する書類が異なるため、あらかじめ確認しておくとスムーズに手続きできるでしょう。
個人事業主の方でローン審査に通るか心配な方は、自社ローンの利用を検討しましょう。
事業用ローンはカーローンではありませんが、事業に使う場合は事業用ローンも利用可能です。
事業用ローンは、法人経営者や個人事業主の方が利用できるローンで、事業にかかる資金のために利用できます。
メリット | デメリット |
審査基準が甘い手続きが簡単総量規制の対象にならない | 金利が高い借入限度額が低い |
事業用ローンは、審査基準が甘く、手続きに時間がかからないのが特徴です。
また、総量規制の対象にならないため、ほかでお借り入れを行っている場合でも気にせずにローンを組めます。
一方で、事業用ローンの金利は1〜14%程度が相場で、他のローンに比べると非常に高い傾
向にあるため、月々のローンの支払い費用が高くなってしまいます。
借り入れ限度額も他のローンと比較すると低いため、あまりに高額な借り入れはできないかもしれません。
ここでは、個人事業主の方がカーローンを組むときの審査基準について解説します。
以下の条件を満たしておくことで、カーローンの審査の通過が期待できるでしょう。
個人事業主の方は、収入の安定性を見るために事業の継続年数も審査されます。
継続年数が短ければ短いほど、収入が不安定だとみなされるため、審査は通過しづらくなります。
最低でも事業としての勤続年数が1年以上あることが必要になってきます。
カーローン審査では会社だけでなく、個人の年収や信用問題も確認します。
たとえば、事業が上手くいっていても、過度な税金対策を行い、自分の所得を低くしている方などもいる方は審査で不利になるため注意が必要です。
一般的に会社員は年収が最低でも200万円ないと審査に通らないといわれますが、個人事業主の方の場合は年収が借入額の半分を下回ると難しいといわれています。
また、過去に自己破産を行ったり、滞納したりしている場合は、審査に通りづらくなってしまいます。
カーローンを組む際には、他にも借り入れがあるのか確認されます。
他に借り入れを行っている場合、借入額を申告しなければなりません。
ローンで借りられる金額は、年収の3分の1が目安といわれているため、他の借入金額と合わせても範囲内に収まるかを確認します。
カーローンを組む場合には、他のローンが完済していることが好ましいので、可能な限り完済しておきましょう。
個人事業主の方は被雇用者と比べてローンが通りづらいことがわかりましたが、対策次第で審査に通ることもあります。
ここでは、個人事業主の方ができるローン審査対策を3つご紹介します。
カーローンは高額になりやすいですが、頭金を用意して借入金額を抑えると、審査を有利に進められる傾向にあります。
カーローンの頭金は、一般的に車両価格の20%~30%が目安だといわれています。
審査が通りにくいことが予想される場合、審査会社から連帯保証人をたてるようにいわれることがあります。
連帯保証人とは、債務者と同様の責任を甥、債務者が支払えない場合は、建て替えなければなりません。
審査会社によっては連帯保証人になる方の条件があるため、よく確認して該当する方を連帯保証人にしましょう。
たとえば、収入の安定している親族を連帯保証人にすると、ローンが有利に進められるでしょう。
しかし、ローンの返済が滞って払えない状況になってしまうと、連帯保証人の方に支払い義務が生じ、トラブルになりかねないので、どのような返済計画で返済するかをあらかじめ、説明しましょう。
個人で借り入れを行っているものだけでなく、会社で借り入れを行っているものを含めて、借入総額を少しでも減らしておくと良いでしょう。
たとえば、マイカーローンを申請する前に、他社の借入金額を繰り上げ返済しておくのも効果的です。
マイカーローンを申し込みにあたって、役員報酬を減らしている場合には、妥当な金額に戻しておきましょう。
なぜなら、十分な収入がないと判断されてしまうためです。
カーローン審査では返済能力を見るため、収入の安定性を重視します。
収入が少ないと感じられるような対策を取っている場合は、妥当な金額にしておきましょう。
審査基準はそれぞれ異なります。
審査が厳しいところでは難しくとも、審査が緩いところであれば通る可能性は高まるでしょう。
自社ローンは審査が比較的緩い傾向にあるため、審査の通りづらい個人事業主の方にもおすすめです。
また、ローン審査が通過しやすいというだけではなく、金利はかからず、審査や納車までにかかる日数も短いため、メリットが非常に大きいです。
審査が通るか心配な方は、この自社ローンも検討しましょう。
お問い合わせはこちらここでは、カーローンが経費に計上できるか解説します。
カーローンは借入金が賃借対照表上で負債に分類されるため、元金は経費計上はできません。
ただし、利息のみ経費として計上することができます。
事業用で使用する車であれば、利息分を丸々経費扱いにすることが可能です。
自家用車としても利用する場合には、家事按分が必要です。
車は固定資産になるため、車の購入費用やローンの利息を経費として計上するには減価償却が必要です。
減価償却する際には、耐用年数を基準とします。
耐用年数は普通自動車と軽自動車で異なり、普通自動車が新車購入から6年、軽自動車が新車購入から4年です。
ただし、耐用年数は最低2年となるため、10年落ちの車であっても2年間で計上します。
また、中古車の場合は耐用年数から経過年数をひいて、経過年数に02をかけた数を足すことで算出可能です。
中古車は新車と比較すると、減価償却の期間が短いため、経費を計上する上では有利といえます。
なお、減価償却には「定額法」と「定率法」の2種類があり、計算方法が異なります。
定額法は、毎年同じ金額で減価償却を行っていく方法で、計算式は経費=購入金額÷耐用年数です。
一方、定率法は未償却残高に対し、毎期一定の割合で減価償却を行う方法で、購入当初から年々償却額が減っていくのが特徴です。
事業用として購入した車は、車両金額だけでなく、以下の費用も経費として計上可能です。
自家用車としても利用する場合には、ここでも家事按分が必要です。
個人事業主の方は、収入面が安定していない場合が多いことや他に借り入れしていることが多いことなどから、被雇用者に比べてローンが通りにくい傾向にあります。
特に、カーローンは車両金額によっては高額になるため、返済能力があるかどうかがより重視されるのです。
ただし、個人事業主の方でも頭金を用意したり、他社の借り入れを減らしたり、審査の緩い自社ローンのようなローンを選択したりするなどの対策次第ではカーローンを利用できるでしょう。
個人事業主の方でカーローンを組みたいと考えている方は、頭金を用意したり、他のローンを全て完済しておくなどの対策をしっかり行い、審査に通過しやすくなるような工夫を行いましょう。